ファクタリングとは？仕組み・人気の会社を紹介

2024年12月9日

支払い.com

資金繰りに悩んでいる経営者におすすめしたい資金調達の方法として「ファクタリング」があります。

ファクタリングは事業者が保有している売掛金を現金化し、資金調達を改善できる手段です。

この記事では、ファクタリングのメリットやデメリットについて、おすすめのファクタリングサービスとともに解説していきます。

ファクタリングを正しく活用して資金調達をスムーズにしましょう。

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ファクタリングとは売掛金を買取すること

ファクタリングとは、売掛債権（売掛金）をファクタリング会社に買い取ってもらうことで現金化するサービスです。銀行融資を利用しにくい会社や個人事業主なども活用できる資金調達の手段であるため、事業の資金繰り改善などに役立ちます。

売掛債権（売掛金）とは、掛取引によって将来支払われることが約束されている権利のことです。

掛取引では商品やサービスを提供した段階では料金が支払われず、約束した期日までに支払われることが約束されています。

つまり、ファクタリングは債権の発生から代金の回収までを短縮化できるサービスといえるのです。

なお、ファクタリングを利用する際はファクタリング会社に手数料を支払う必要があります。ファクタリング会社から入金される時に手数料が売掛金から差し引かれる仕組みになっています。

ファクタリングにおける契約の種類

ファクタリングの契約形態には「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」の2種類があります。

それぞれの取引における特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

取引のタイプ	メリット	デメリット
2者間取引	・入金が早い・取引先にファクタリングの利用を知られない	・手数料が高い・審査が厳しい
3者間取引	・手数料が安い・審査が厳しくない	・入金まで時間がかかる・取引先にファクタリングの利用について同意を得る必要がある

2者間ファクタリング

「2者間ファクタリング」とは利用者とファクタリング会社のみでファクタリングの契約を行うサービスです。

利用者が売掛金をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた金額を現金化するという流れです。

2者間ファクタリングのメリットは入金が速く、取引先にファクタリングの利用を知られないことです。

取引先にファクタリングの利用を知られると「資金繰りが厳しい会社なのか？」といった疑念を生じさせるほか、取引先との信用に関わる恐れがあります。

そのため、取引先を介さずファクタリング会社とのやり取りだけで完結したい場合に2者間ファクタリングがおすすめです。

一方、2者間ファクタリングのデメリットは手数料が高いこと、審査が厳しいことが挙げられます。

3者間ファクタリング

「3者間ファクタリング」とは利用者とファクタリング会社に加えて、売掛先も契約に加わるファクタリングです。

3者間ファクタリングのメリットは手数料が安いことです。売掛金の支払いは売掛先から直接ファクタリング会社に支払われるため、2者間ファクタリングよりもリスクが低く、手数料が安く設定されています。

一方で、3者間ファクタリングのデメリットは手間と時間がかかることです。売掛先にも同意を得る必要があり、2者間ファクタリングと比べて手間と時間がかかります。

売掛先がファクタリングに同意するとは限らず、3者間ファクタリングの利用には売掛先の同意を取り付けなければなりません。

また、ファクタリングを活用していることを売掛先に知られることもデメリットといえます。売掛先に「資金繰りが悪化している企業」という印象を与えることになり、信用が低下してしまうこともあるため、注意してください。

売掛金の買取（ファクタリング）のメリットとは

売掛金の買取（ファクタリング）は資金調達の手段として役立つだけではなく、以下のようなメリットがあります。

売掛金の買取（ファクタリング）のメリット

スピーディに資金を調達できる

ファクタリングを利用すればスピーディに資金調達に役立ちます。

ファクタリング会社によっては数日以内に現金化してもらえるところが多く、急に資金が必要な時に活用できます。特に、2者間取引では即日に現金化することも可能です。

ただし、金額によっては2週間から1ヵ月かかるケースもあるため注意してください。

借金を増やさずにすむ

売掛金の買取は売掛金を買い取ってもらうサービスであるため、借金を増やさずにすみます。

通常の融資だと借金というかたちになるため、負債が増えることになってしまいます。負債が増えると利息の支払い義務が生じるほか、財務状態が悪化する恐れがあるでしょう。

一方、売掛金は自社の資産であり、資産を現金化することになるので借金が増えません。借金を増やさないので利息の支払いも必要がなく、財務諸表などの決算書に悪い影響を与えずにすみます。

ファクタリングと融資の違いについて詳しく知りたい場合は「ファクタリングと融資の違いとは？どちらを使うべきかシーン別に解説！」の記事をご覧ください。

赤字決算でも利用できる可能性がある

ファクタリングの審査は赤字決算でも利用できる可能性があります。審査では売掛先の信用力が重視されるため、ファクタリングの利用者が赤字決算や債務超過などの問題を抱える場合でも審査が通りやすいです。

特に、業績が悪化している企業は融資による資金調達が難しい場合も多いため、ファクタリングによる資金調達も検討してみてください。

ファクタリングの審査基準について詳しく知りたい場合は「ファクタリングの審査基準は甘くない！審査なしで資金調達するには？」の記事をご覧ください。

オフバランス化が実現する

ファクタリングをすることによって、オフバランス化が実現できます。

オフバランスとは、資産や取引などが財務諸表に記載されない状態のことを指し、「簿外取引」とも呼ばれるものです。オフバランス化によってバランスシート（貸借対照表）がスリムになるため、財務状態が改善されます。

バランスシートをスリムにすることによって、借入金や金利を減らすことが可能です。

また、オフバランス化によって財務指標が改善されます。主要な財務諸表の1つに総資産利益率（ROA）があります。ROAは資産を使ってどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す財務指標であり、「当期純利益÷総資産」で計算されます。

オフバランス化によって総資産の数値が少なくなるためROAが改善し、客観的に見て財務状態を改善することが可能です。

個人事業主でも利用できる

ファクタリングは法人だけでなく個人事業主でも利用できます。個人事業主の売掛金は法人と比べて少額であることが多いですが、ファクタリングサービスの中には少額の売掛金を買い取ってくれるものもあるため、個人事業主の方も利用できます。

また、ファクタリングは銀行融資を受けることが難しい個人事業主の資金調達方法としてもおすすめです。融資の審査が通らない場合でも、売掛金を保有していれば現金化が可能であるため、ファクタリングが救いの手になることもあるでしょう。

ただし、債権譲渡登記が必要なファクタリングサービスは利用できないので注意してください。債権譲渡登記の詳細については、次の項で解説していきます。

ファクタリングの小口利用について詳しく知りたい場合は「ファクタリングは小口でも使える？少額利用はいくらから？おすすめ会社も紹介」の記事をご覧ください。

売掛金の買取（ファクタリング）のデメリットとは

売掛金の買取（ファクタリング）を利用する際は、以下のデメリットに注意する必要があります。

売掛金の買取（ファクタリング）のデメリット

これらのデメリットに注意して、自社にとって不利益とならないように注意しましょう。

手数料が高めに設定されている

ファクタリングを利用する際はファクタリング会社に手数料を支払う必要があります。手数料は2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの場合で異なりますが、一般的な手数料の相場は以下の通りです。

2者間ファクタリングの手数料：10～20%
3者間ファクタリングの手数料：1～9%

ファクタリングの手数料は売掛金回収のリスクに比例するため、売掛先の信用力や売掛金の額によって異なります。

かえって資金繰りが悪化する恐れがある

ファクタリングの利用には手数料がかかるため、長期間利用するとかえって資金繰りが悪化する恐れがあります。期日より前に現金化できるメリットがあるものの、相応の手数料を負担しなければなりません。

長期間にわたってファクタリングを活用していると手数料を負担し続けることになるため、ファクタリングを利用する際はしっかりと資金計画を立てましょう。

債権譲渡登記に注意が必要

ファクタリングを利用する際は債権譲渡登記を求められることがあります。

債権譲渡登記とは債権が譲渡されたことを証明するための制度であり、登記をすることで債権譲渡等が公示され、同じ債権が二重に譲渡されることを防ぎます。主に2者間取引で行われる手続きです。

債権譲渡登記をするメリットとして、ファクタリング会社のリスクを軽減できるため、ファクタリングの審査が通りやすいことが挙げられます。

一方、債権譲渡登記のデメリットは登記に発生した費用は利用者が負担することです。

また、債権譲渡したことが公示されるため、売掛先企業にファクタリングの利用が知られることもあります。

さらに、債権譲渡登記を取り扱っているのは東京法務局のみであるため、東京近郊以外で利用する場合は登記に時間や手間がかかることにも注意してください。

参考：債権譲渡登記｜東京法務局

悪徳業者が存在する

ファクタリング業界は法整備が十分に進んでおらず、残念ながら悪徳業者が存在します。

ファクタリングは売掛金買取サービスであって、金銭の貸付業者ではありません。しかし、一部の悪徳業者は金銭を貸し付けてくる場合があります。

金銭の貸付には「貸金業」の登録が必要になりますが、登録なく金銭の貸付をしてくることは違法な取引です。貸金業法に違反する金銭の貸付は違法な金利になることがあるため、資金繰りが悪化する恐れがあります。

このような悪徳業者に引っかからないよう、ファクタリングの利用時には注意しましょう。

参考：貸金業を始めるには｜日本貸金業協会

売掛債権の金額以上の資金調達ができない

ファクタリングによる資金調達の上限額は売掛金の額となっています。そのため、売掛金の上限を超える金額はファクタリングでは調達できないことに注意してください。

売掛金の買取（ファクタリング）を利用した方が良いケースとは

売掛金の買取（ファクタリング）を積極的に利用した方が良いケースとして、以下の場面が想定されます。

売掛金の買取（ファクタリング）を利用した方が良いケース

自社の信用力に不安がある場合

自社の信用力に不安がある場合、ファクタリングの利用がおすすめです。

赤字決算や債務超過やビジネスを始めたばかりなど信用力に不安がある場合は、金融機関からの融資が難しい場合があります。

一方でファクタリングは信用力に不安がある場合でも、売掛金さえあれば利用可能です。銀行からの融資が難しい場合はファクタリングを検討してみてください。

すぐに資金を調達したい場合

ファクタリングの利用は最短即日から現金化できるなど、資金調達のスピードが速いことが特徴です。

ビジネスにおいては急に多額の支出が必要になる場合がありますが、ファクタリングを使えば、手元に資金がない場合であっても短期間で資金を用意することが可能です。

未回収リスクを回避したい場合

ファクタリングを実施することで売掛金の未回収リスクの回避が可能です。

通常の売掛金であれば貸倒れ（取引先が倒産するなどの理由で売掛金を回収できなくなること）のリスクがありますが、ファクタリングで売掛金を現金化することで貸倒れのリスクがなくなります。

また、売掛金を大量に保有していると売掛金を管理する手間やコストが発生してしまいます。

例えば、売掛金には貸倒引当金を設定する必要がありますが、ファクタリングで現金化することによって貸倒引当金を設定しなくてすむでしょう。

ファクタリングを活用することで、売掛金の管理コストを削減できることもメリットの1つです。

売掛金の買取（ファクタリング）の選び方を解説

ファクタリングサービスを選ぶ際は、以下のポイントを重視しましょう。

売掛金の買取（ファクタリング）の選び方

手数料で選ぶ

ファクタリングサービスを利用する際は手数料に注目しましょう。手数料が低い分だけ費用負担が少なくなります。

ファクタリングにおける手数料の相場は1.0%～20.0%が相場ですが、ファクタリング会社によって手数料に違いがあります。複数社で相見積もりをとってもらうことで、少しでも手数料が安いファクタリング会社を選べるでしょう。

現金化までのスピードで選ぶ

ファクタリング会社を比較する場合は、現金化までのスピードを重視しましょう。現金化のスピードは会社によって異なりますが、場合によっては即日で現金化できることもあります。

ただし、必ずしも現金化までのスピードが早ければいいわけではなく、資金が必要なタイミングなどを踏まえて検討しましょう。

債権譲渡登記の有無で選ぶ

ファクタリング会社を選ぶ際は債権譲渡登記の有無をチェックしましょう。特に、債権譲渡登記は法人のみ利用できる登記制度であるため、個人事業主の場合は債権譲渡登記がないファクタリングを選ぶ必要があります。

先ほども紹介したように、債権譲渡登記には登記の手数料がかかるなどのデメリットがあります。ファクタリング会社によっては「登記留保」や「未登記」の対応をしてくれる場合があるため、利用の際に確認してください。

実績で選ぶ

ファクタリング会社を選ぶ際は、ファクタリングの実績を確認しましょう。ファクタリングの実績が少ない場合、悪徳業者である可能性があります。

利用者の口コミ、ファクタリング会社のホームページに記載されている情報などがファクタリング実績を確認する際の参考になります。例えば、会社情報で所在地や代表者が実在していることを確認するべきです。

これらの情報をチェックし、本当に信頼できるファクタリング会社かどうかを見極めて依頼しましょう。

個人事業主への対応可否で選ぶ

個人事業主の方がファクタリングを利用する場合は、個人事業主への対応可否も重視します。

少額の取引を断っているファクタリング会社があるほか、少額の取引には高めに設定されている場合もあります。

ファクタリング会社によっては法人のみを対象としている場合もあるため、事前に個人事業主に対応しているかどうかをチェックしておきましょう。

起業直後の方にお勧めなファクタリング会社を紹介していますので「起業後でもファクタリングを使える？開業直後に使うメリットやおすすめの会社を紹介」の記事をご覧ください。

取引の種類	2社間取引、3社間取引
取引可能額	30万円〜
手数料	2%〜20%
現金化までの日数	最短24時間

取引の種類	2社間取引、3社間取引
取引可能額	30万円〜1億円
手数料	2%〜10%（1,000万円以上の取引は要相談）
現金化までの日数	最短即日

取引の種類	2社間取引
取引可能額	上限なし
手数料	1%〜14.8%
現金化までの日数	最短2時間

取引の種類	2社間取引
取引可能額	非公開
手数料	2%〜9%
現金化までの日数	最短24時間

取引の種類	2社間取引、3社間取引、介護報酬債権ファクタリング、診療報酬債権ファクタリング
取引可能額	下限上限なし
手数料	2社間取引：4%〜12%、3社間取引：2%〜9%
現金化までの日数	最短2時間

売掛金の買取（ファクタリング）以外の資金調達方法とは

事業の資金調達をするならファクタリング以外にもいくつか方法があります。

売掛金の買取（ファクタリング）以外の資金調達方法

方法1：手形割引

手形割引とは、企業が保有している約束手形を支払期日が来るまでに買い取ってもらい、現金化することです。銀行または手形割引の専門業者が手形割引を取り扱っており、手数料を差し引いた金額を現金に換えられます。

手形割引はファクタリングと同じように、企業が保有している債権を現金に換える方法です。したがって、手形割引のメリットには「現金化が早い」「審査が通りやすい」といったことが挙げられます。

一方、手形割引のデメリットは「不渡りのリスクがある」ことです。手形割引には償還請求権が設定されており、手形が不渡りになった場合に債務者へ請求できるようになっています。つまり、もし割り引いた手形が不渡りになった場合、専門業者へ満額に利息を加えた金額を支払わなければなりません。

なお、ファクタリングには償還請求権が設定されていないケースが多く、不渡りのリスクは少ないことが特徴です。

方法2：ビジネスローン

ビジネスローンは事業資金としての利用を目的とした金融商品です。一般的なカードローンとは異なり、事業用の利用に限定されています。

ビジネスローンのメリットは「無担保で借りられる」「現金化が速い」ことが挙げられます。多くのビジネスローンでは担保を設定しておらず、売掛債権や不動産のような資産がなくても資金調達が可能です。

一方、ビジネスローンのデメリットは「金利が高い」「負債が増える」といった点が挙げられます。ビジネスローンに担保を設定しない場合、融資側のリスクが高くなるため金利が高く設定されます。また、ビジネスローンは融資であるため負債の増加が伴うので、財務状態に影響を与えます。

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