昨今の運送業界では、法改正による「物流クライシス」の発生が予想される「2024年問題」が象徴しているように、人材不足や長時間労働が問題となっています。こういった問題の根底には、長年積み上げられてきた運送業界の体質を原因とする、資金繰りの難しさも大きく関わっています。
本記事では、運送業の資金繰りの特徴から、難しい原因とその対策、および対策の実施に役立つ実用的なサービスまでピックアップして解説します。資金繰りにお悩みの運送業者の方は、ぜひご一読ください。
運送業の資金繰りの特徴は?
資金繰りの面から見た運送業は、端的に言って「難しい」という一言で表現されることが多い業種です。
もちろん他業種であっても、資金繰りがまったくもって容易というケースは稀ですが、特に、運送業は資金繰りを難しくする構造上の問題をいくつも抱えています。
ここではそんな運送業における資金繰りの特徴を、大きく4つに分けて解説します。
運送業の資金繰りの特徴は?
固定費が高額になりやすい
運送業は営業上必要となる経費のうち、特に固定費がおおむね高額となる傾向にあります。これは、運送業の営業にはトラックやバンといった貨物を積載できる車両が必須であり、社屋・事務所・人材だけ揃っていれば回していける業種ではないことが原因です。
車両運行にかかってくる固定費としては、車検費用や駐車場代のほか、タイヤ・バッテリー・エンジンオイルといった消耗品代、損害保険料に加え、リース車両であればリース契約料も支払わなければなりません。
また、ドライバーへの給与や諸手当といった人件費も同じく高額となる傾向にあることから、常に利益を圧迫してしまう要因です。参考として、全日本トラック協会が調査した令和2年度の決算平均調査結果によれば、経費の85%を占める運送費のうち、実に40%が人件費となっており、業界平均からも高騰している現況が見て取れます。
さらに、経済産業省・国土交通省・農林水産省による令和4年の調査「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」では、54%の企業がトラックドライバーが不足している、もしくはやや不足していると回答しており、2030年には2000年の実績値973万人から約3割減の519万人まで減少するとの予測が立てられました。
一方、宅配便の取扱実績は5年間で23.1%増加(約10.8億個増)しています。他方では、2024年度より「物流の2024年問題」とも呼ばれるトラックドライバーへの時間外労働の上限規制の適用がスタートするため、個々のドライバーの労働時間は短縮しなければなりません。このように、業務量は増加しているのに人手は不足しているため、今後ますます運送業における人件費は高額となることが予想されます。
燃料費などの変動幅が大きい
固定費だけでなく、売上高に応じて上下する変動費の変動幅が大きいことも、資金繰りを難しくする原因のひとつです。運送業で売上高を上げるには、その分、車両の稼働時間を伸ばさなければなりません。
運送業における変動費の代表的なものとしては、燃料費が挙げられます。昨今のガソリン代高騰にみられるように、燃料費は原価の時点で正確な予測が難しい経費であり、かつ悪天候や事故による渋滞・迂回・高速道路の利用といった要因で大幅に消費量が変化します。
つまり、一度の運行で消費する量や、かかる費用を緻密に予測することが難しいため、受注は獲得しているのに想定より利益率が下がってしまう、という事態が頻繁に起こりうるのです。
また、運送業特有の変動費として「傭車」にかかる経費が存在します。これは他業界で言うところの外注費に近い概念で、主に受注した仕事が自社だけではさばききれない場合や、季節によって自社で稼働できる車両・ドライバーが確保できない場合などに他社に協力を仰ぐものです。
ある程度決まった量・周期で発注するケースの多い製造業・加工業などでの外注と異なり、傭車を使うかどうかには荷主からの仕事量の都合も絡んできます。どのタイミングで利用するかという予測が難しいことから、傭車費も燃料費と並び、収支予測を立てる上での不確定要素のひとつといえるでしょう。
近年では、燃料費高騰などのいわゆる「仕入れ価格上昇」や、取引先からの値下げ圧力などによって「価格転嫁できない」ことによる倒産が相次いでいます。前述の「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」によると、仕入れ価格上昇や値上げ難などによって収益を維持できずに「物価高倒産」に至った企業は558件(2018年から2022年7月まで)です。そのうち、2022年の実績値に占める輸送業の割合は28%(33件)となっています。
突発的なリスク要因が多い
事故や故障による運行への支障は、資金繰りに重大な悪影響を与える可能性が高い、突発的なリスク要因です。性質上、長距離・長時間の運転が多くなる運送業界では、他業種と比べても業務中の事故リスクは否が応でも上がります。
国土交通省が発表している令和3年度自動車運送事業用自動車事故統計年報によれば、年度中に4,320件発生した重大事故のうち、39.6%にあたる1,709件がトラック運送中の事故であるというデータが示されました。さらに事故による死者数・重症者数で見ると、バス・タクシーといった旅客運送業を上回り、トラックが最も多くなっています。
そして事故で発生する資金繰りへのマイナス要因は、傷病によるドライバーの離脱や、車両の修理費だけにとどまりません。荷主の貨物を汚損したり、営業活動を遅滞させたり、あるいは人身事故を起こしたりすれば、多額の損害賠償を請求される可能性があります。またドライバー自身や運行管理者の刑事責任を問われた場合、受注が減少してしまい、会社の存続そのものが危ぶまれることも考えられるのです。
下請法による支払いサイトの規制がある
取引先から自社への、締め日から代金支払いまでの期間、いわゆる支払いサイトの長さは、資金繰りの難易度を大きく左右します。支払いサイトは自社視点では「回収サイト」とも呼ばれ、一般に、回収サイトが短ければ短いほど資金繰りに余裕が生まれますが、こと運送業においては、回収サイトが他業種と比べて長期化する傾向にあります。
理由としては、下請代金支払遅延等防止法(下請法)で定める支払いサイトの上限まで、サイトを長く確保している元請業者が多いことも一因です。下請法では、立場が不利になりがちな下請業者の保護を目的としており、運送業については以下の事業取引を対象として、支払いサイトを最大でも60日までと定めています。
- 資本金が3億1円以上の元請けから、資本金3億円以下の下請けへの発注
- 資本金1千万1円以上3億円以下の元請けから、資本金1千万円以下の下請けへの発注
前述の調査「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」ではトラック運送業の99.9%がいわゆる中小企業であり、大多数の下請取引が上記の規定に従い行われていると予想されます。一方、支払いサイトは長ければ長いほど資金繰りに有利となるため、特別な交渉なしに支払いサイトが短縮されるケースはほとんどありません。すなわち、ほぼすべての下請取引は回収サイトが下請法の上限である60日に設定されるのが一般的です。手形による支払いも含めれば、回収までさらに長期化するケースもあります。
一方で、前述の通り固定費・変動費といった経費の支払いは毎月発生するため、いつでも動かせる現金を常に確保しなければなりません。結果、下請け業者は難しい収支予測の中から常に資金をプールしておく必要に迫られるため、資金繰りが逼迫するケースが多くなっているのです。
運送業の難しい資金繰りを緩和するには?
以上のような厳しい環境にある運送業の資金繰りを緩和・改善するには、どのような方向性で施策を考えればよいのでしょうか。ここでは、資金繰りを緩和するための6つの方策を解説します。
運送業の難しい資金繰りを緩和するには?
まずは資金繰り表を作成する
とにかく予測の難しい要因に囲まれている運送業の資金繰りにおいては、場当たり的ないわゆる「どんぶり勘定」の資金繰りが続けば、瞬く間に資金ショートの危機が訪れることは想像に難くありません。これからご紹介するどの方策に取り組むにせよ、何はともあれ資金繰り表を作成し、いま現在わかっている範囲だけでも、先々の収支を把握しておくことが重要となります。
資金繰り表とは、作成時点から数ヶ月先〜年度単位での資金の出入りをまとめ、可視化した予定表のことです。売上入金の予定はもちろんのこと、車検・定期点検・保険料といった一定周期での出費予定についても入れ込んでおくことで、ある程度確度の保たれた予測を立てられます。その際、車両の修理代や部品交換代などについても、導入時期や耐用年数から大まかに予測し、支出に盛り込んでおくとよいでしょう。
資金繰り表を作成することで、資金に余裕がある時期・ない時期の把握が可能となり、資金調達など他の方策をとるべき時期が明確になります。また、どの経費が利益を圧迫しているのかを決算書の情報以外からも読み取れるようになるため、注力すべき削減方法を明らかにする効果も期待できるのです。
固定費を削減する
経費の多くを占める固定費の削減は、利益を底上げする有効な手段です。その際、ドライバーのなり手不足により削減の難しい人件費よりも、まずは車両の運行に直接影響しない事務所での経費や、地代家賃といった固定費に占める割合の大きい経費から削減するとよいでしょう。
また、電話・FAX代といった経理事務部門の事務費が高額な場合、運行管理・受注管理サービスの導入によるDX化や、経理そのもののアウトソーシングによって解決できる場合もあります。場合によっては、運行管理システムの刷新とともに、車両へのGPS機器の搭載といった業務効率化を並行して行うのも有効です。
荷待ち時間の短縮や効率的なルート選択が可能となり、人件費が削減できるのみならず、結果として変動費の削減にもつながる可能性があるため、長期的な目線で検討してみましょう。
小口取引を増やす
支払いサイトが長く、代金の回収までに時間のかかる運送業は、大口取引ではなく小口取引を増やすことが重要です。
例えば、売り上げが500万円の取り引きについて見てみましょう。
- 500万円の大口取引を1件獲得した場合
売り上げ500万円×1社(60日後に一括で入金)=500万円 - 50万円の小口取引を10件獲得した場合
売り上げ50万円×10社(取り引きごとに入金)=500万円
同じ500万円の取り引きでも、1の大口取引を1件獲得したケースでは、60日後に500万円一括で入金されるのが一般的です。一方、2の小口取引を10件獲得したケースでは、支払いサイトごとに50万円がさみだれで入金されます。
大口取引の場合は代金が一括で入金されるため、入金を待つ間に運転資金が枯渇してしまうかもしれません。対して小口取引では、支払いサイトに応じてこまめに代金が入金されるため、資金ショートのリスクは低下するでしょう。
また、上記1の取引先が経営不振などで倒産し、売掛債権が回収できなかった場合、自社の資金繰りも悪化して連鎖倒産に陥ってしまうかもしれません。2のケースでは債権が分散しているため、たとえ1社が倒産しても残りの9社から売掛債権を回収できます。リスク分散という観点からも、大口取引ではなく小口取引を増やすことが重要です。
支払いサイトを調整する
サービスや商品を先に提供し代金を後で受け取る、いわゆる掛取引においては、取引先へ代金を支払う「支払いサイト」をなるべく長くし、取引先から代金を回収する「回収サイト」をなるべく短くすることが重要です。代金を遅く支払い早く回収することで一定の運転資金を手元に確保できるため、資金繰りに余裕が生まれます。
まずは、キャッシュフロー計算書などで現在の支払いサイトを確認してみましょう。回収サイトが極端に長い取り引きがある場合は、取引先に支払いを早めるよう交渉するのも資金繰りを改善するための重要な手段です。当然ですが、下請法には抵触しない範囲内で回収サイトの短縮を交渉しなければなりません。
回収サイトの短縮は、納期や料金など契約内容の見直しに付随し交渉するのがよいでしょう。例えば、納期を短縮したり料金を値下げしたりするなど、取引先に有利な条件を提案する見返りとして回収サイトの短縮を要求すると、合意を得られやすいかもしれません。
なお、支払いサイトをなるべく長くするには、後払いサービスの利用もおすすめです。例えば、「支払い.com」を利用すれば請求書の支払いを最長60日間先延ばしにできます。クレジットカードさえあれば事前審査や申し込みなど一切不要で簡単に利用できるため、「支払い.com」は資金繰りを改善する便利で確実な方法です。
資金調達を行う
資金繰りが悪く運転資金の不足が懸念される場合は、早めに資金調達を行いましょう。資金調達には一定の時間がかかるため、資金を獲得するまでに資金ショートを引き起こし、倒産してしまうリスクがあります。特に、固定費が高額で変動費の変動幅が大きい運送業においては、早め早めに資金調達することが非常に重要です。主な資金調達方法には、下記の手段があります。
- 金融機関のプロパー融資
- 日本政策金融公庫の融資
- ノンバンク系のビジネスローン
- ファクタリング
- 後払いサービス
金融機関のプロパー融資や日本政策金融公庫の融資は、比較的審査が厳しく、資金を手にするまでに時間を要する方法です。ノンバンク系のビジネスローンは、比較的審査が優しく、短時間で資金を調達できますが、金融機関の融資より金利が高いというデメリットがあります。なお、これらの資金調達方法は経営状況を厳しく審査されるため、資金繰りが厳しい業況では利用できないかもしれません。
売掛債権を買い取るファクタリングは、取引先の経営状況を重視するため、自社の業況が厳しくても利用できる方法です。審査も簡易で、早ければ即日資金を獲得できます。
一方、後払いサービスは、手持ちのクレジットカードを使って請求書の支払いを先延ばしにできる、新たな金融サービスです。代表的な後払いサービスには「支払い.com」などがあります。後払いサービスは、支払いサイトを延長し資金繰りを改善する有用性の高いサービスです。
M&Aを検討する
M&Aで大企業の傘下に入り、経営を立て直すのも一つの方法です。M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略で、企業や事業の合併・買収を指します。M&Aは買収する側のメリットのみ注目されがちですが、売り手企業にもメリットの多い取り引きです。
例えば、売り手企業の業況が思わしくない場合、買い手企業の傘下に入り資金を得ることで事業を継続できます。会社が存続し、従業員の雇用や既存の取り引きを継続できるのも、M&Aの大きなメリットです。ただし、経営に関する権限は縮小し、従業員のモチベーションや取引先からの信頼などは低下してしまう恐れがあります。
また買い手企業が見つからなければ、そもそもM&Aは行えません。経営状況が思わしくない企業を合併・買収したい買い手企業は現れない可能性もあるため、業況の良いうちにM&Aを検討することが重要です。
運送業の資金繰り改善に役立つサービスをご紹介!
課題の多い運送業において資金繰りを改善するためには、支払いサイトを適正化すること・経理業務などを外注し業務効率化を実現することなどが重要です。ここからは運送業の資金繰り改善に役立つ後払い・掛け払いサービス、掛け売りサービス、業務効率化サービス、経理外注サービスをご紹介します。
運送業の資金繰り改善に役立つサービスをご紹介!
後払い・掛け払いサービス2選
まずは、後払い・掛け払いサービスについてご紹介しましょう。後払いサービスとは、請求書等の支払いをクレジットカードによって先延ばしにできるサービスです。掛け払いサービスは、一定期間に行った取り引きの代金を、後日まとめて支払うサービスを指します。代表的な後払いサービス・掛け払いサービスは「支払い.com」や「Paid」などです。それぞれ順番に見ていきましょう。
支払い.com
「支払い.com」は、グローバルな金融プラットフォームの構築を目指すスタートアップ企業「UPSIDER」と、長年にわたって業界を牽引する大手クレジットカード会社「クレディセゾン」が共同で運営する、全く新しい金融サービスです。
支払い.comは、手持ちのクレジットカードを使って、通常クレジットカード払いに対応していない取引をカード決済可能にします。例えば、請求書払いの取り引きでも、対応のクレジットカードさえあればカード決済が可能です。
支払い.comでは、セゾンカード・VISAカード・Mastercardを利用し、支払いを最長60日間先延ばしにできます。事前の申し込みや面倒な審査、担保・保証人も一切不要です。業界最安値水準のわずかな手数料さえ負担すれば、最短60秒で即日利用を開始できます。支払い.comを利用すれば支払いを一定期間先延ばしにできるため、資金繰りの改善が期待できるでしょう。
Paid
「Paid」は株式会社ラクーンフィナンシャルが運営する、複数の取引先からの請求を1枚の請求書でまとめて後払いできる企業間決済サービスです。複数企業の請求を1枚の請求書でまとめて支払えるため、振り込みの手間を削減し振込手数料を節約できる、銀行振込・口座振替・コンビニ払いなど多様な支払い方法が選択できるため利便性が高い、などのメリットがあります。
Paidを利用すれば複数の請求を一括で支払えるため、キャッシュフローの改善が期待できるでしょう。取り引きごとの支払いサイトに合わせて個別に支払う必要がなく、運転資金の安定確保にも役立ちます。口座振替を利用すれば支払い忘れも防止できるため、請求管理業務を大幅に効率化することが可能です。
掛け売りサービス
SAGAWA物流決済サポート
「物流決済サポート」は、物流大手の佐川急便株式会社が提供する、B2CやB2Bの取り引きにおける決済をサポートするサービスです。なかでも、企業間の取り引きで利用できる掛け売りサービス「SAGAWA B2B決済サービス」は、下記の特徴を備えた有用性の高い決済サービスとなっています。
- 信用調査の代行
- 販売代金の保証
- 回収業務の代行
SAGAWA B2B決済サービスを利用すると、面倒な与信業務や回収業務から解放され、請求管理業務の圧倒的な効率化が可能です。代金は佐川急便が代行して請求し、毎月一定の期日に立て替えで入金されるため、取引先からの支払いが滞り、運転資金が不足するといった事態を防げます。代金保証によってキャッシュフローは安定し、資金繰りの改善も期待できるでしょう。
業務効率化サービス3選
ITを活用し業務を効率化するのも、資金繰りを改善するための重要な取り組みです。ここからは、運送業で役立つ3つの業務効率化サービスをご紹介します。
ハコベル物流DXシステム
「物流DXシステム」は、西濃運輸を擁するセイノーホールディングス株式会社と、印刷サービスをはじめとしたインターネット関連サービスを展開するラクスル株式会社の共同出資会社であるハコベル株式会社が運営する物流システムです。
ハコベルの物流DXシステムは「ハコベル配車計画」と「ハコベル配車管理」からなり、配車計画の最適化および、配車・運行管理に関連するオペレーションの自動化を実現します。また、「ハコベル動態管理」を組み合わせることで、配送車両のトラッキングや到着時刻の予測、遅延の検知なども可能です。
物流DXシステムを利用すれば荷主・運送会社・ドライバーまで一気通貫で管理できるため、配車業務を最適化・標準化し、大幅な業務効率化と品質改善を実現できます。
Comtruck System
「Comtruck System(コムトラックシステム)」は、株式会社イクソルが提供する運送業向け業務効率化システムです。配車入力するだけで、日々の業務に付随する配車表・日報・月報・請求書・支払明細書・指示書など必要な帳票類を簡単に出力できます。配車情報がそのまま売り上げデータになるため、確実な請求処理を実現可能です。
Comtruck Systemはクラウドサービスとなっているため、特別なハードウェアやソフトウェアを購入することなく、すぐに利用を開始できます。オプションで、Excelによる配車表の取り込みや各種会計ソフトとの連携も可能です。
一定の月額利用料さえ負担すればイニシャルコストを抑えて手軽に業務効率化を実現できるため、大規模なシステムを導入できない場合はComtruck Systemの利用を検討してみましょう。
MOVO
「MOVO(ムーボ)」は、株式会社Hacobuが提供する運送業務効率化サービスの総称です。トラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」、動態管理サービス「MOVO Fleet(ムーボ・フリート)」、配送案件管理サービス「MOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)」の3種類があり、これらにワンストップでアクセス可能となるドライバー用アプリ「MOVO Driver(ムーボ・ドライバー)」も公開されています。
導入により電話・FAX・紙ベースの運行管理・配車管理から脱却し、元請け・下請けを問わない全部門の業務効率化が図れるだけでなく、利益率やドライバーの労働環境改善が期待できます。
導入時にはデベロッパーが伴走サポートも行っており、受発注者双方にメリットの大きいシステムであることから、可能であれば下請け側から導入を打診してみるのもよいでしょう。
経理外注サービス3選
煩雑な経理業務をアウトソーシングし、業務効率化を図るのも一つの方法です。ここでは、代表的な経理外注サービスを3つご紹介します。
経理外注・記帳代行センター
「経理外注・記帳代行センター」は、東京都中央区の会計事務所マクシブ総合会計事務所が運営する経理代行組織です。従来はオフラインの経理代行サポートを提供していましたが、「経理ファクトリー pro」というクラウドサービスの提供をスタートしました。経理ファクトリー proを利用すれば、資料を共有するだけで請求・支払・給与計算・経費計算・記帳といった面倒な経理業務がすべて完了します。
一定規模の企業では、経理をはじめとしたバックオフィス業務にも一定のコストが必要です。小規模の企業ではバックオフィス業務が属人化し、業務の引き継ぎや人材の確保が難しいケースも散見されます。固定費を抑え資金繰りを改善するためには、一定のバックオフィス業務をアウトソーシングすることも重要です。
請求管理ロボ
「請求管理ロボ」は、インターネットを活用したフィナンシャル事業を展開する株式会社ROBOT PAYMENTが提供している請求管理業務自動化サービスです。請求管理ロボを利用すれば、請求書の発行から送付、集金、消込、督促に至る一連の請求管理業務を自動化できます。
請求管理ロボの機能は、請求書の発行・送付をはじめとした「請求書業務の自動化」と、口座振替やクレジットカード払いなど代金回収手段の提供および入金消込の自動化など「債権管理の自動化」が基本ですが、与信審査から債権回収までの業務を丸投げできる請求代行サービス「請求まるなげロボ」の利用も可能です。
これらのサービスは、まもなくスタートする「インボイス制度(適格請求書保存方式)」や「電子帳簿保存法(電帳法)」にも対応しています。小規模企業等ではこれらの法改正に対応することが難しい可能性もあるため、制度の開始に合わせて請求管理ロボなどのクラウドサービスを利用するのもよいでしょう。
NOC経理アウトソーシング
「NOC経理アウトソーシング」とは、人事・総務・経理をはじめとした管理部門の総合アウトソーサーNOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社が提供するサービスです。経理業務をアウトソーシングすることで、以下のようなメリットが期待できます。
- 法改正への対応不要
- 経理担当人員の確保不要
- ルーティン業務からの解放
NOC経理アウトソーシングを利用すれば、経理担当者のアサインが不要で、法改正への対応もアウトソーサーが行うため考慮不要です。また、経費精算や給与計算など、面倒なルーティーン業務から解放されるため、コア業務に集中できます。
NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社はコンサル業務にも強みを持っており、企業規模や商習慣に合わせて経費精算システム・会計システム・RPA(Robotic Process Automation)などの導入支援を受けることも可能です。社内に経費担当人材を確保できない場合は、NOC経理アウトソーシングの利用を検討するとよいでしょう。
資金繰り改善の即戦力をお探しなら「支払い.com」がおすすめ
今回は運送業における資金繰りについてご紹介しました。運送業は、一言でいうと「資金繰りが難しい業界」です。運送業の資金繰りを難しくしている要因としては、運送車両や人件費などの固定費が高いこと、ガソリン代をはじめとした変動費の変動幅が大きいこと、事故などのリスク要因が多いこと、代金の回収サイトが長期化する傾向にあること、などが挙げられます。
資金繰りを改善するには、支払いサイトの改善が必須です。支払いサイトを改善するには、取引先との交渉だけでなく、後払い・掛け払いサービスを利用する方法もあります。後払いサービスの一つである「支払い.com」は、手持ちのクレジットカードを使って支払いサイトを最長60日間延長できるため、即効性の高い改善方法です。資金繰りに窮した場合は、積極的な活用がおすすめです。