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資金繰り償還とは?利益償還との違いや資金繰りの改善方法

資金繰り償還とは?利益償還との違いや資金繰りの改善方法

融資によって資金調達を実施した場合は、必ず償還(返済)の義務が発生します。ところが、安定的な収益が得られず、さらに運転資金に不安が残るような財政状況では、「返済をするための資金を調達する」といういわゆる資金繰り償還をしなければならない状況が発生します。

この記事では、資金繰り償還の具体例や利益償還との違い、さまざまな資金繰りにおける資金調達方法や改善例について詳しく解説します。

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目次

資金繰り償還とはどういったもの?

資金繰り償還とはどういったもの?

開業時や事業拡大などによって資金の融資を受けることがありますが、これらの借入金を返済することを「償還」と呼びます。このうち、返済方法によって「資金繰り償還」と「利益償還」の2種類に大別されますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

資金繰り償還とはどういったもの?

資金繰り償還とは

資金繰り償還とは、企業の利益分ではなくその他の調達先から返済を行う償還方法のことを指します。借入金によってその後の企業運用が安定すれば良いのですが、残念ながら状況が回復しない可能性も考えられるでしょう。

とはいっても、利益が出ようと出まいと月々の返済が発生してしまうため、利益で返済をまかなえない場合はその他の資金などを切り崩して返済にあてる必要があります。

つまり、資金繰り償還を何度も行っている企業は、継続的な利益を拠出できていないことが考えられるため、資金繰りに苦労している可能性が高いと判断されてしまうかもしれません。

利益償還との違い

一方で利益償還とは、その名の通り企業が獲得した純利益をもとに、借入金の返済を実施する方法です。

例として、100万円の融資を受けた企業を考えてみましょう。この企業は100万円を設備投資に費やし、翌月に150万円の売上を記録しました。人件費やランニングコスト、税金などの支出を除くと純利益は30万円となり、毎月20万円を返済にあてる契約をしています。

この場合、返済額の20万円が純利益の30万円に収まっているため、利益償還ができているということになります。利益償還ができている環境ということは、手元資金が減少する可能性が低いため、健全な償還方法であると言えるでしょう。

借入金の種類によって償還方法が異なる

2種類の償還方法を比較すると利益償還のほうがメリットは大きいのではと感じるかもしれませんが、融資のタイミングや借入金の種類によって、それぞれに適切な方法があります。

運転資金は資金繰り償還で返済する

まず、運転資金を得たいと考えるタイミングとしては、スタートアップや新規事業、売上拡大などさまざまなケースが考えられますが、どれも共通して言えることは「運転資金を融資によって先に手に入れる」プロセスである点です。

運転資金とは、人件費や広告宣伝費や仕入れにかかわるコストなど、いわゆる固定費として計上される支出を指します。将来的には必ず支払いが発生するものとして考えるため、手元資金を切り崩してまで融資を受けたがっている、と見られることはありません。

そのため、運転資金を目的とするケースは資金繰り償還が基本であるとされています。

とはいっても、計画的に返済可能である規模に留めておかなければ、いつまでも資金繰りが改善せず利益が出せない負の連鎖に陥る可能性もあるため、融資額の調整は慎重に行いましょう。

設備資金は利益償還で返済する

一方で、設備投資として融資を受ける場合、利益償還での返済が一般的です。

なぜかというと、設備の導入によって生産性が向上したり、自動化による人件費のコストカットができたり、といったメリットが生まれることは期待できるものの、それが直接利益額に左右されることはありません。

そのため、「利益を向上させるための投資」であることが前提であり、審査の際にも「利益償還によって返済できる能力があるかどうか」を判断材料としている可能性が高いと考えられるのです。

過去には、事業拡大を狙い新規に工場を建設している最中に経営が傾き、資金繰り償還での返済を進めたものの結局倒産に追い込まれてしまうケースもありました。

資金繰り償還のリスク

資金繰り償還のリスク

では、より具体的に資金繰り償還を実施した際のリスクやデメリットについて、より深く掘り下げて解説します。

資金繰り償還のリスク

内部留保が減る

内部留保は「利益剰余金」とも呼ばれるもので、純利益から税金、配当金などを差し引いて社内に蓄積された利益のことを指します。勘定科目においては「利益剰余金」として計上され、自己株式や評価差額金などの科目とともに純資産として扱われます。

社内に利益剰余金を留保させることで、いわば積立金のようなかたちで自己資本が形成されるため、内部留保をしている資本が多い企業は、一般的に業績も良く社会的信頼度も高いと評価されるでしょう。

ところが、資金繰り償還を実施すると内部留保をしていた資金を拠出して返済に充てなければならないため、内部留保分が減少する一方となります。

利益剰余金は設備投資や研究、開発など企業成長を遂げるための資金源ともなるため、純粋な資産の減少だけでなく将来的な企業成長に自ら歯止めをかける原因にもなりかねません。

借入金が増える

運転資金を求めて融資を実施する場合、返済に充てる資金が限られていたり、純利益を確保できていなかったりする状況が考えられます。

一度の融資でその後の経営が安定すれば問題ありませんが、返済に充てるための資金が足りずにまた他方から借入をするプロセスが常態化してしまうと、業績が安定しないまま借入金ばかりが膨れ上がる状況に陥りかねません。

資金がショートする恐れがある

手元の資金が枯渇し、借り入れの返済に追われる状況が長引くと、当然のことながら資金の確保は見込めません。赤字状態が長く続いていくと、資金が底をつき月末の支払いすらもままならない「資金のショート」と呼ばれる状態にさしかかります。

資金のショートは借り入れの返済に限らず、固定費をはじめとした必要経費の支払いも難しい状況であることから、最悪の場合倒産を視野に入れなければならないほど深刻な状況であると言えるでしょう。

資金繰り償還を回避する方法

資金繰り償還を回避する方法

このように、将来の資金繰りのために今ある支払いに資金繰り償還で対応するプロセスが繰り返されると、最悪の場合倒産するリスクもあります。では、資金繰り償還に頼らなければならない事態を避けるために必要なことはあるのでしょうか。

資金繰り償還を回避する方法

資金繰り表で管理を行う

まず始めに、現状の売上内容と、それに伴うキャッシュフローの情報を可視化することが重要です。取引にかかわる支払いや融資の返済のタイミングや、それに伴う資金の流れを把握できずにいると、改善しなければならない要因がどこにあるのかが上手くつかめません。

そこで、資金繰り表を制作し、資金の流れを管理できるような体制を整えることが求められるでしょう。

資金繰り表には明確なフォーマット規定はありませんが、インターネット上に公開されている無料のテンプレートを利用してかんたんに作成可能です。

多くの場合、資金繰り表では企業の収支を以下の3種類に分類します。

  • 経常収支
  • 非経常収支
  • 財務収支

「経常収支」は、毎月の売上分や人件費、家賃、水道光熱費などの毎月変わらずに発生するランニングコストなどが含まれます。ランニングコストは「固定費」と「変動費」の2種類に大別できるため、項目が多くなる場合は両者を区別するとより可視化しやすいフォーマットになります。

「非経常収支」は反対に、毎月発生するとは限らない支出が含まれ、法人税や固定資産税の支払いなどが主な項目として当てはまるでしょう。

最後の「財務収支」は、資金繰りによって得た資金や返済にあたる項目を記載します。

実際にデータを入力するとき、これまでの実績の数値は決算書や各種会計帳簿を参照しましょう。

また、予測数値と比較して将来のキャッシュフローの流れを見極めることが目的であれば、人員計画や設備投資計画などのデータを盛り込み、ある程度長期的な収支の流れを把握できる管理体制が求められます。

運転資金を確保する

運転資金は一般的に資金繰り償還の方法で返済するのは先ほども解説しましたが、運転資金の蓄えがまるでない状況で融資を繰り返すことが常態化してしまっては、当然のことながら資金繰りの悪化は避けられません。

また資金繰りは特に問題がなかったとしても、何らかのトラブルで売掛金の回収が遅れたり、場合によっては回収が不可能になったりする可能性もゼロではありません。

このような不測の事態に備えられるように、最低でも数か月程度は問題なく支出の支払いに充てられる程度の運転資金を確保しておくと安心です。

融資では据置期間を活用する

「据置期間」とは、融資を申し込んだ段階から定められた期間までは、元金の返済を行わくても良いとされる仕組みのことを指します。据置期間が設けられている融資制度を利用することで、資金繰り償還でしか返済が難しい状況であったとしても、ある程度利益が見込めるようになってから元金の返済を開始できるメリットがあります。

キャッシュフローが安定化し、継続的な利益が見込めるようになるためには早くて数ヶ月、または数年単位になることも珍しくありません。そのため、利用する制度によって差はあるものの、据置期間は数年単位で設定されていることが一般的です。

そのため、現段階で利益償還が難しかったとしても、利益予測によって据置期間内までに事業成長が見込めることが可能と判断できるのであれば、利益償還を目指して融資を申し込むこともひとつの方法と言えるでしょう。

例えば、日本政策金融公庫が実施する融資制度の一部を抜粋してみると、以下のように設定されています。

融資制度名融資限度額融資期間据置期間
新規開業資金7,200万円(うち運転資金4,800万円)設備資金:2年以内運転資金:7年以内2年以内
企業活力強化資金7,200万円(うち運転資金4,800万円)設備資金:2年以内運転資金:7年以内2年以内
マル経融資2,000万円設備資金:10年以内運転資金:7年以内設備資金:2年以内運転資金:1年以内
企業再建資金7,200万円(うち運転資金4,800万円)設備資金:20年以内運転資金:15年以内2年以内
経営環境変化対応資金4,800万円設備資金:15年以内運転資金:8年以内3年以内

企業の資金繰りを改善する方法

企業の資金繰りを改善する方法

では、融資に頼らずに現状の資金繰りを改善したい場合、どのような方策が有効なのでしょうか。

企業の資金繰りを改善する方法

経費を削減する

資金繰り表を作成すると、月々どの程度のコストが発生しているかを可視化できます。

ランニングコストは特に「どうしても発生するものだから」と頻繁に見直しをしない項目かもしれませんが、あまりにもコストを多くかけすぎていると、それだけ運転資金も膨大に用意しなければいけません。

人件費などは法律上の条件や各従業員のモチベーションなどにつながるため、一概に削減することが良いこととは言えません。ただし、固定費の影響でキャッシュフローがあまりにもひっ迫している状況であるのなら、見直しを検討する余地はあるでしょう。

仕入・販売コストを見直す

近年、原材料やエネルギー燃料の価格が高騰した影響で、さまざまな品目やサービスの値上げが相次いでいます。もちろん消費者のことを考慮すると値上げは得策ではないにせよ、同じ条件での販売が難しいのであれば販売コストを上げるか、仕入れの品質を落とすかのどちらかを決断する必要があります。

また、既存事業での見直しや改善に限界がある場合は、思い切って新規事業に力を入れる方法も有効策の一つと言えます。例えば、利益率の高い製品を新たに取り入れる、フランチャイズに加盟する、などを検討することで、売上依存のリスクを分散させることにもつながります。

早めの入金と遅めの支払いに設定する

掛け払いの取引を相手企業と契約する場合、キャッシュフローを改善するためには「支払いは遅く、入金は早く」を意識することが重要です。相手先から支払いが行われてから掛け金を回収できるまでの期間のことを「支払いサイト」と呼びますが、支払いサイトが長引けば長引くほど手元資金を得られるのが遅くなるため、資金難に陥る可能性がより高くなります。

とはいっても、この条件にしたいのは他社にとっても同じことが言えるため、契約締結の際に双方が納得できる支払いサイトを設定できるように努めましょう。

不要な資産を売却する

企業は土地や建物、備品などさまざまな資産を抱えていますが、長く運用を続けていくうちに不要になってしまった資産が出てくるかもしれません。企業の資産は「固定資産台帳」と呼ばれる帳簿によって管理され、耐用年数とともに徐々に価値が下がっていくものもあります。

そのため、不要になったと感じた場合には早めに売却してしまうのもひとつの方法です。

固定資産には「有形固定資産」と「無形固定資産」の2種類があり、それぞれ以下が主に該当する項目です。

  • 有形固定資産 土地、建物、車両、船舶、機械設備など
  • 無形固定資産 ソフトウェア、意匠権、営業権、特許など

過剰在庫を見直す

不正確な需要予測や販売商品のニーズ減少などで、在庫過多に陥るケースも珍しいことではありません。今月売れなかったとしても来月以降に過剰在庫をさばければ良いのですが、経年劣化などの理由で不良在庫化してしまうと、廃棄せざるを得ない状況になります。

商品を仕入れているのに在庫が残っているということは、仕入れ分のコストをそもそも回収できていないため、資金繰りが悪化する原因にもなります。

資金繰り償還に関連する融資の種類

資金繰り償還に関連する融資の種類

資金調達をしたいと思ったときには、融資はもっとも一般的な手法の一つと言えます。一方で、融資元によって審査内容や限度額などが大きく異なるため、どの融資制度を利用するのかをあらかじめ慎重に検討しておきましょう。

資金繰り償還に関連する融資の種類

銀行の融資

銀行をはじめとした金融機関は、企業が融資を検討するにあたってもっとも一般的な融資元と言えるでしょう。金融機関から直接融資を受けることを「プロパー融資」と呼びますが、貸し倒れのリスクを金融機関自身が負うことになるため、審査を通過するためには高い社会的信用力が求められます。

そのため中小企業やスタートアップ企業などの利用は難しく、大手企業など事業規模の大きな企業が主に利用する方法と言えるでしょう。

審査基準は非常に厳しい一方で、融資限度額が設定されていないもしくは非常に大きな金額であったり、金利が非常に低かったりといったメリットもあります。

日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫は国が全株式を保有する公的な政策金融機関のことで、「日本経済成長・発展への貢献」などの事業の一環として融資制度を設けています。

創業や事業再生、中小企業向けなど、一般的に社会信用力の乏しい事業者に向けた制度も展開しており、目的や企業の現状によってさまざまな融資制度の申し込みが可能です。

対象や限度額は各制度によって異なりますが、基本的には金利が低く返済期間を長く設けています。

また、担保や保証人を立てる必要がないこともあり、銀行融資と比較するとより融資を受けやすい条件に設定されています。

ビジネスローンや銀行融資ほど入金スピードは速くないものの、信用保証協会など第三者の期間を介する必要がないため、1か月程度の猶予が問題ないのであればメリットが大きい手法と言えるでしょう。

商工会議所の融資

中小企業振興を目的とした事業活動の一環として、商工会議所は「小規模事業者経営改善資金貸付制度」、通称「マル経融資」などさまざまな融資制度を実施しています。

「マル経融資」は保証人や担保の必要がないうえに、利率が1%台(2023年10月現在)と小規模事業者にとっても利用を検討しやすい制度と言えるでしょう。

ただし、利用にあたっては「商工会議所の経営・金融に関する指導を原則6ヵ月以上受けており、事業改善に取り組んでいる」という条件があるため、申請するにあたっての事前準備が必要です。

都道府県の融資

都道府県などの自治体によっては、融資制度を設けている場合も少なくありません。

自治体が独自に運用し融資元も自治体である場合は「融資あっせん制度」と呼ばれることが多く、これとは異なり自治体と信用保証協会、指定金融機関が連携して提供する仕組みのものは「制度融資」と呼ばれています。

基本的には事業所が存在する自治体によって受けられる条件や内容が異なるため、詳細を確認するには事前に自治体に問い合わせをしておきましょう。以下は各自治体が提供する融資制度例です。

制度融資例

融資あっ旋制度例

特に「制度融資」の場合は複数の機関が連携して制度が成り立っていることもあり、申請から融資が開始するまでにある程度の期間を要します。

信用金庫の融資

各地域の信用金庫では、住宅ローンなどの個人向け融資の他に法人向けの融資制度にも対応しています。「制度融資」の融資元となるほかに、法人向けの一般融資として長期・短期の各種制度が用意されています。

信用金庫はその地域における事業発展や奉仕をビジョンとして掲げているため、中小企業や創業者への融資を積極的に実施しています。

ただし、「制度融資」での仕組みと同じく利用にあたっては信用保証協会の保証が必要になることが多く、三者間でのやり取りが発生するため、利用開始まで数か月程度の猶予が必要となる可能性があります。

融資以外の資金調達方法

融資以外の資金調達方法

融資は「デットファイナンス」と呼ばれる、いわゆる「お金を借り入れて負債を増やす」資金調達方法に含まれますが、ほかにも資金調達にはさまざまな方法があります。ここからは、デットファイナンス以外を中心に、現在一般的に実施されている資金調達方法を紹介します。

融資以外の資金調達方法

補助金・助成金に申し込む

国や経済産業省、厚生労働省、各自治体が提供する補助金や助成金のなかには、スタートアップ企業や中小企業へのサポートを目的とした法人向けの制度が多くあります。

もちろんこれらは返済する必要がなく資金を調達できるという大きなメリットがあるため、自社の要件に当てはまる内容の制度があるかどうかは事前に確認を取っておくと安心です。

主な助成金・補助金の例を以下にリストアップしました。

主な注意点としては、募集期間が通年ではない可能性があるほか、条件によっては手元資金となるまでに半年から1年程度の猶予を考慮する必要があります。

例えば特定の設備導入が補助金の条件であった場合、その設備導入が正式に認められたことで初めて申請手続きに入るため、直近の設備投資における資金繰りには間に合わない、といった可能性が考えられます。

ベンチャーキャピタルから出資を受ける

ベンチャーキャピタルとは、機関投資家などから資金を集め、ベンチャーやスタートアップなど未上場の企業に対して出資を行う投資企業やファンドのことを指します。融資とは異なり、「エクイティファイナンス」呼ばれる「資本を増やす」資金調達方法の一種です。

ベンチャーキャピタル側は「将来的に上場・大きな企業成長の可能性がある」と見込まれた企業に対して投資を行い、上場時の株式公開やM&Aでの株式売却益、インカムゲインなどで利益を得る、という仕組みです。

とはいっても、必ずしもベンチャーキャピタルからの資金提供を受けたからといって上場やM&Aまでこぎつけられるとは限らないため、投資側にとってはハイリスク&ハイリターンの方法であると言えます。

また、自社の株式をベンチャーキャピタル側に保有してもらうことで出資を受けるため、必然的にベンチャーキャピタル側に議決権など経営における意思決定を行使する権利が及ぶ点にも注意が必要です。

エンジェル投資家から出資を受ける

ベンチャーキャピタルと同じく、「エクイティファイナンス」に該当する方法です。

ベンチャーキャピタルとの大きな違いとしては、エンジェル投資家はファンドや企業ではなくあくまで一個人の投資家からの出資であるという点と、それに伴った煩雑な審査などの手続きが不要であるという点です。

投資家本人の意思決定によって出資の可否が決定されるため、資金提供までの手続きがスムーズに行われるというメリットがあります。

また、組織に属さず個人で独立した投資家は企業経験のある人材も多く、場合によっては経営にあたって有益なアドバイスが得られるケースも少なくありません。

一方で、ファンドや組織などと比較すると一個人からの出資額は限界があるため、大規模な資金調達に向けた方法ではないという点と、投資家との良好な信頼関係の構築がより強く求められる傾向にある点は、考慮しておく必要があります。

クラウドファンディングを活用する

クラウドファンディングは、不特定多数のユーザーに対して資金調達を目的としたプロジェクトを公開し、設定した目標金額に向けてインターネット上で出資を募る手法です。プロジェクトの内容によっては個人が出資者となることも可能で、出資額に応じた返礼品(リターン)が用意されていることもあります。

企業の資金調達として主に用いられるのは「ソーシャルレンディング」(融資型クラウドファンディング)で、クラウドファンディングのポータルサイトが仲介者となって貸付の形式で資金提供を実施します。

ほかにも「購入型クラウドファンディング」では新規プロダクトの製品化やテストマーケティングを目的としたものや、株式をリターンとした「株式型クラウドファンディング」などがあります。

少人数私募債を発行する

少人数私募債とは、社債を購入してもらうことで出資を募る資金調達方法で、取引先や知人・家族など縁故者が出資者となることが一般的です。「少人数」と呼ばれるのは明確に募集する投資者を49人までに限定しなければならないという取り決めがあるためで、社債の発行総額も1億円程度が限度とされています。

融資と同じく社債は期日までに償還する必要がありますが、発行額や利率は企業が自由に設定できるほか、出資元からの審査や煩雑な手続きも不要というメリットがあります。

デメリットとしては、比較的少額の資金調達に適している方法ではあるものの償還は一括償還で行われるため、償還期間までにまとまった資金が改めて必要になるため、返済計画をしっかりと立てることが重要です。

ファクタリングを利用する

ファクタリングは、未回収の売掛金をファクタリング事業者に売却することで、これから回収する予定の売上金を早期に現金化する方法です。事業者によっては即日で現金化が可能になる場合もあり、「一刻も早く現金化したい」場合には有効な方法の一つと言えるでしょう。

ただし、現金化には各事業所が設定する手数料を支払う必要があるため、現金化されて得た資金は元金から手数料が引かれた金額になります。また、手数料は事業者によって大きく異なり、なかには法外な割合を設定する悪徳業者も存在するため、金融庁からの注意喚起もなされているため事業者の選定には細心の注意を払いましょう。

手形割引を活用する

ファクタリングと同じく、未回収の売掛金を現金化する方法です。掛け払いの決済方法として約束手形を利用している場合、「手形割引」の制度を用いると、手数料の支払いと引き換えに期日よりも早く現金化が可能になる仕組みです。手形割引を引き受ける事業者のほか、金融機関でも手形割引の手続きが可能です。

一般的にファクタリングよりも手数料は低い傾向にありますが、これはその分不履行が発生した際には引き換え先の事業者や金融機関が弁済する仕組みになっているためです。

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支払い.comは期日の迫った口座引き落としの払い込みを、お手持ちのクレジットカード決済にすることで最大60日の支払いサイト延長を可能にし、資金繰りの改善や急な資金不足にもスピーディーに対応します。

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まとめ

まとめ

スタートアップ企業やベンチャー企業など、運転資金を得るために資金繰り償還を実施するのは問題ないのですが、資金繰りが苦しいために他方から資金繰り償還を繰り返すようになると、負債ばかりが増えて資金繰りが改善できない状況に陥るかもしれません。

資金調達方法には申請や入金までに時間がかかるケースも少なくありませんが、融資や資産売却をせずともスピーディーに資金繰りを改善させたいと考えている方は、ぜひ「支払い.com」までご相談ください。

運営者情報

支払い.comは株式会社 UPSIDERが運営する請求書カード払いサービスです。

運営企業情報

会社名

株式会社クレディセゾン

代表者

代表取締役会長CEO:
林野 宏
代表取締役(兼)社長執行役員COO:
水野 克己

資本金

759億29百万円

本社所在地

東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60・52F

事業内容

ペイメント・リース・ファイナンス・不動産関連・エンタテインメント

上場証券取引所

東京証券取引所プライム市場

証券コード

8253

従業員数

4,319名 ※2021年3月31日現在
※上記従業員のほかに、嘱託、パート・アルバイトおよび派遣社員を雇用しており、その期中平均雇用人数は1,736名(1日7.5時間換算)

会社名

株式会社UPSIDER

代表者

代表取締役:宮城 徹
代表取締役:水野 智規

資本金

14,293百万円(資本準備金含む) ※グループ連結

本社所在地

東京都港区六本木7-15-7

事業内容

法人間決済サービスの企画・運営

出資元(敬称略)

WiL/ ANRI/ DNX Ventures/ グローバル・ブレイン/ DST Global Partners/ Greenoaks Capital/ Arena HD/ basepartners/ 新生銀行/ AGキャピタル/ Tybourne Capital Management/ 三菱UFJキャピタル/ セゾン・ベンチャーズ/ みずほキャピタル/ SMBCベンチャーキャピタル/ テンセント/ 日本航空/ SuMi TRUSTイノベーションファンド/ 北陸地域ベンチャー投資事業有限責任組合(QRインベストメント、Carbon Ventures)

登録

前払式支払手段(第三者型) 発行者登録
関東財務局長第00722号
PCI DSS v3.2認定事業者

加盟団体

一般社団法人日本資金決済業協会
Cloud Native Computing Foundation

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