個人事業主とは、企業に属さずに個人で事業を営む人のことを指します。従業員がいる場合でも、法人化をしていなければ個人事業主とみなされます。そんな個人事業主が新規開業や事業拡大をするにあたって資金調達をしたい場合、どのような制度を利用したらよいのでしょうか。本記事では、個人事業主に最適な資金調達方法21選をご紹介します。合わせて、融資を受ける際の条件や注意点なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
個人事業主に最適な資金調達方法21選
本記事でご紹介する個人事業主に最適な資金調達方法は以下の21個です。それぞれ順番に解説します。
個人事業主に最適な資金調達方法 | |
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日本政策金融公庫の融資 | 新創業融資制度 |
新規開業資金 | |
経営環境変化対応資金 | |
小規模事業者経営改善資金 | |
金融機関の融資 | 銀行の融資 |
信用金庫の融資 | |
信用保証協会の制度融資 | |
ノンバンクの融資 | ノンバンク系のビジネスローン |
事業者向けカードローン | |
助成金・補助金 | 創業補助金 |
起業支援金 | |
地域雇用開発助成金 | |
IT導入補助金 | |
小規模事業者持続化補助金 | |
事業再構築補助金 | |
ものづくり補助金 | |
その他の資金調達方法 | 掛払い・後払いサービスの利用 |
ファクタリングの利用 | |
クラウドファンディングの利用 | |
親類縁者からの借入 | |
遊休資産の売却 |
日本政策金融公庫の融資
日本政策金融公庫とは、日本の中小企業や小規模事業者、農林漁業者の事業に取り組む方々を支援するために、民間の金融機関の取り組みをサポートする政策金融機関です。「日本公庫(にっぽんこうこ)」とも呼ばれ、国民の生活向上に貢献することを目的としています。そんな日本政策金融公庫が提供している融資のうち、個人事業主が利用できる融資を4つご紹介しましょう。
新創業融資制度
新創業融資制度は、無担保・無保証人で利用できる、創業・スタートアップを支援するための融資です。利用するには他の融資との併用が必須となります。要件は以下の通りです。
新創業融資制度の概要 | |
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対象者 | 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方 |
資金使途 | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
融資限度額 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) |
返済期間 | 各融資制度に定める返済期間 |
年利 | こちらをご確認ください |
担保・保証人 | 原則不要 |
新規開業資金
新規開業資金は女性や若者、シニアの方、廃業歴がある方などが創業にチャレンジする際など、幅広い創業・スタートアップを支援する融資です。要件は以下の通りです。
新規開業資金の概要 | |
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対象者 | ・女性、若者、シニアの方で創業する方・廃業歴があって創業に再チャレンジする方・中小会計を適用して創業する方・新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 |
資金使途 | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内)運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内) |
年利 | 基準利率ですが、特別利率の条件についてはこちらをご確認ください |
担保・保証人 | 相談のうえ決定 |
併用できる融資制度 | こちらをご確認ください |
経営環境変化対応資金
経営環境変化対応資金は、社会的・経済的環境の変化などが原因で一時的に業況が悪化している企業が、経営基盤の強化を図るための融資です。セーフティネット貸付とも呼ばれています。要件は以下の通りです。
経営環境変化対応資金の概要 | |
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対象者 | 社会的・経済的環境の変化など外的要因により、一時的に売上の減少など業況が悪化しているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方で、リンク先の「ご利用いただける方」のいずれかに該当する方 |
資金使途 | 社会的要因などにより企業維持上緊急に必要な設備資金、経営基盤の強化を図るために必要な運転資金 |
融資限度額 | 4,800万円 |
返済期間 | 設備資金:15年以内(うち据置期間3年以内)運転資金:8年以内(うち据置期間3年以内) |
年利 | 基準利率ですが、特別利率の条件についてはこちらをご確認ください |
担保・保証人 | 相談のうえ決定 |
併用できる融資制度 | こちらをご確認ください |
小規模事業者経営改善資金
小規模事業者経営改善資金は、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で利用できる融資です。「マル経融資」とも呼ばれています。要件は以下の通りです。
小規模事業者経営改善資金の概要 | |
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対象者 | 商工会、商工会議所または都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けている小規模事業者であって、商工会、商工会議所などの長の推薦を受けた方 |
融資限度額 | 2,000万円 |
返済期間 | 設備資金:10年以内(うち据置期間2年以内)運転資金:7年以内(うち据置期間1年以内) |
年利 | 特別金利F |
担保・保証人 | 相談のうえ決定 |
併用できる融資制度 | 設備投資を行う方・設備資金貸付利率特例制度(全国版) ・設備資金貸付利率特例制度(東日本版) |
金融機関の融資
個人事業主が金融機関で利用できる融資は大きく分けて3パターンあります。それぞれのパターンについて解説します。
銀行の融資
まずは銀行から融資を受ける制度について確認してみましょう。
銀行融資は地方銀行と都市銀行によって特徴が異なります。地方銀行は地域の事務所を支援する傾向が強く、小規模事業者の創業支援にも積極的です。一方、都市銀行の場合はややハードルが高く、ある程度の事業規模や実績が必要になります。
地方銀行・都市銀行どちらも営利を優先しているため、公庫や信用組合などにくらべて融資条件は厳しくなっています。
特徴は以下の通りです。
- 無担保や無保証の創業融資は難しい
- 過去2期分の決算書が必要になるケースもある
- 金利は2~3%台が多い
信用金庫の融資
信用金庫は地域に根ざした支援が手厚いため、個人事業主でも融資が受けやすいことが特徴です。創業時の融資限度額は1,000万円程度が多く、さらに高額な資金調達には向いていません。しかし、担当者のフォローが充実しているため、長期的な関係を構築しやすいという特徴があります。
特徴は以下の通りです。
- 審査に2~3ヶ月かかる
- 公庫融資よりも金利は若干高め
- 制度融資の金利は1~3%台が多い
信用保証協会の制度融資
信用保証協会の制度融資は、事業者が返済不能になったときに保証協会が信用組合へ代位弁済してくれる制度で、銀行との付き合いが浅い中小企業や小規模事業者などにおすすめの制度です。利用には所定の信用保証料がかかります。金融機関側のリスクが低くなるため、融資が受けやすくなる点がメリットです。
ノンバンクの融資
ノンバンクとは銀行のような預金業務は行わずに、融資などを行う金融会社のことです。融資においては銀行より金利が高いのが特徴です。そのため、計画的に利用する分には問題ありませんが、個人事業主の借入先としてはリスクもあるのでできるだけ利用しない方が良いでしょう。
ノンバンク系のビジネスローン
ビジネスローンはノンバンクが提供する事業性融資の総称です。事業性融資は個人向けも用意されており、融資のスピードが早いのが大きなメリットです。中には最短で即日融資可能な事業者もあります。今までに取引したことがない個人でも融資の申し込みができるため、迅速な資金調達ができます。
しかし、個人の信用力のみを審査して融資を判断するため金利はかなり高めで、カードキャッシングと同程度の金利となる場合もあります。利用する際はきちんと資金計画を立てておくことが重要です。
事業者向けカードローン
事業者向けカードには、法人だけではなく個人事業主を対象としたものもあります。ノンバンク各社によって異なりますが、事業者向けカードにはキャッシング機能が付いているものもあり、24時間365日コンビニのATMなどで利用できます。そのため、ビジネスにおいて急な支払いが必要になった際に役立つでしょう。ただし、こちらも金利は高めなので計画的な利用が欠かせません。
助成金・補助金
ここまで融資について解説してきましたが、返済不要な助成金や補助金では、個人事業主はどういったものが利用できるのでしょうか。続いて、個人事業主が利用できる助成金・補助金について解説します。
創業促進補助金
創業促進補助金とは、市区町村が独自に創業する事業主に提供している補助金です。創業時に必要となる必要経費の一部を国や地方自治体が補助することで、新たな雇用機会を生んで経済成長させることを目的としています。その名称は地域によって異なり、創業促進補助金はすべての自治体にあるわけではありません。個人事業主は対象外など要件が厳しいケースもありますが、一般的には返済の必要がなく安心して利用できます。その他の要件は各自治体のホームページで確認しましょう。
起業支援金
起業支援金とは、地域の課題解決に貢献する社会的事業を新しく開業する事業主が対象の支援金です。起業のための搬送支援と事業費への助成をすることで効果的な起業を促進し地域課題の解決をし、地方創生を実現することを目的にしています。
事業分野は、子育て支援や地域産品を活用する飲食店、買い物弱者支援、まちづくり推進など地域の課題に応じた幅広いものが対象です。起業支援金の名称や具体的な要件は地域によってことなるため、各都道府県のホームページで確認しましょう。
全国共通の要件は以下の通りです。
- 起業支援金の支給対象
- 東京圏内(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)以外の都道府県または東京圏内の特定の地域にて社会的事業を起業すること
- 交付の決定日から補助事業期間完了日までに、開業届を管轄の税務署に提出すること
- 起業する都道府県内に居住しているか居住予定であること
- 支給額
- 最大200万円(補助率は2分の1)
- 支給対象
- 人件費、事務所の借入費、設備費、通信費など
地域雇用開発助成金
地域雇用開発助成金とは、雇用機会が不足している地域で事業所を設置・設備し、その地域の求職者を雇用した事業者に支給される助成金のことです。最大年に3回支給されます。
要件は以下の通りです。
- 対象地域
- 同意雇用開発促進地域
- 過疎等雇用改善地域
- 特定有人国境離島等地域
- 支給対象になる事業主
- 小売業・飲食店:50人以下
- サービス業:100人以下
- 卸売業:100人以下
- その他:300人以下
- 助成額
設置設備費用 | 対象労働者の増加人数 ※括弧は創業の場合 | |||
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3(2)~4人 | 5~9人 | 10~19人 | 20人~ | |
300万円以上 | 50万円 | 80万円 | 150万円 | 300万円 |
1,000万円以上 | 60万円 | 100万円 | 200万円 | 400万円 |
3,000万円以上 | 90万円 | 150万円 | 300万円 | 600万円 |
5,000万円以上 | 120万円 | 200万円 | 400万円 | 800万円 |
IT導入補助金
IT導入補助金とは、個人事業主や中小企業が企業課題の解決のために導入するITツールやソフトウエアの導入費用に対して支払われる補助金です。支払いを受けられるのは、飲食業、宿泊業、小売業、卸売業、運送業、医療・介護・保育などに該当する事業を行う中小企業・小規模事業者の事業主です。
要件は以下の通りです。
- 支給対象
- ITツール:ソフトウエアやサービスなど
- ITツールと併用するハードウエア:PCやタブレットなど
- 補助額
- 通常枠:30~450万円(補助率は2分の1)
- デジタル化基盤導入枠:ソフトウエア ~50万円(補助率は4分の3)
ソフトウエア ~350万円(補助率は3分の2)
ハードウエア ~30万円(補助率は2分の1)
※デジタル化基盤導入枠の中に3つの型があります。詳細は公式Webサイトにて。
- セキュリティ対策推進枠:5~100万円以下(補助率は2分の1)
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者などが今後行われる制度変更に対応した販路開拓や商品開発・業務効率化などの取組にかかる経費を補助して、生産性向上と持続的発展に貢献することを目的にしています。今後行われる制度変更とは、働き方改革や賃上げ、インボイス制度などが対象です。
要件は以下の通りです。
- 支給対象
- 機械装置費、広報費、ウェブサイト関連費、出展費、旅費、開発費
- 補助額
- 通常枠:~50万円
- 賃上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠:~200万円
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ポストコロナやウィズコロナ時代に適応するため、新たな事業分野(新分野展開・業種転換・事業再編など)に積極的な企業を支援するための補助金です。思い切った事業再構築に意欲的な中小企業などの挑戦を支援することで、日本経済の構造展開を促すことを目的としています。
必須要件は新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上が減少している事業者で、業種転換・事業再編・国内回帰などの事業再構築を行い、事業計画を策定することです。事業者が取り組む内容や対象者に対応した6つの枠が用意されており、枠によって必須要件や補助金額が異なります。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者などが今後の制度改革に対応するために取り組む、開発や改善業務に伴う設備投資などを支援する補助金です。今後の制度改革には働き方改革や賃上げ、インボイス制度対応といったものが該当します。また、申請には事業計画の作成が必要で、その事業計画には以下要素を含む必要があります。補助額も以下の通りです。
- 事業計画
- 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
- 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
- 補助額:750万円~5,000万円(補助率は2分の1もしくは3分の2)
その他の資金調達方法
ここまで個人事業主が利用できる融資や助成金・補助金についてご紹介してきました。しかし、要件が厳しいものもあるため、その他の資金調達方法も気になるところです。続いて、融資や助成金・補助金以外の資金調達方法について解説します。
掛払い・後払いサービスの利用
掛払い・後払いは、どちらも支払いを後日にする支払い方法で、用いられる場面の違いによってそれぞれを区別します。それは取引相手による違いと期間による違いです。企業間取引では「掛払い」と呼ばれ、消費者向け商品やサービスを提供する際は「後払い」と呼ばれます。企業間で行われる「掛払い」では1ヶ月ごとに取引を集計し請求書を受け取ってからまとめて支払います。一方、消費者向けの商品やサービスを提供する「後払い」は1回の取引ごとが主流です。もし同じ月内に複数回取引が発生しても、基本的にはその都度支払期日が設けられ、都度払いの対応が必要です。
ファクタリングの利用
ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に売却する資金調達方法です。
取引先に対して代金の支払いをあとから請求する方法を売掛といい、売掛金とはその権利・債権のことを指します。ファクタリングは、この売掛金をファクタリング会社に売却して、手数料を引いた現金を得るという資金調達方法です。
ファクタリングを利用すると、売掛金より手数料分減額されてしまいますが、支払い日より前に資金が得られるため資金繰りの改善ができます。また、信用情報に傷がつかないことが特徴です。
クラウドファンディングの利用
クラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する資金調達方法です。クラウドファンディングには、融資や助成金などの資金調達方法にはない手軽さや拡散性の高さ、テストマーケティングにも使える有用性の高さなどいくつかメリットがあります。
大別すると、以下6種類への分類が可能です。
- 購入型クラウドファンディング
- 寄付型クラウドファンディング
- 融資型クラウドファンディング
- 株式投資型クラウドファンディング
- ファンド型クラウドファンディング
- ふるさと納税型クラウドファンディング
親類縁者からの借入
親類縁者からの借入という資金調達方法もあります。しかし、親族からの借入には、利息と返済の有無について注意が必要です。
親族からの借入で利息なしで返済している方もいますが、返済時に利息を支払わないと贈与税が発生する可能性があります。そこで、親族からの借入金の利息分に贈与税が発生しないよう、借入をした際に利息を設定して毎月支払うことが重要です。
また、返済をしなかった場合にも借入自体が贈与とみなされ、110万円を超える部分に贈与税が発生します。事業が軌道に乗ってから返済をする約束をしていたとしても、定期的な返済をしていない場合は贈与税が発生するので注意しましょう。
遊休資産の売却
遊休資産とは、起業時に取得した土地や建物などの不動産や機械などの動産で、何らかの理由で稼働を休止している資産のことです。それを売却することで資金調達をするという方法もあります。
遊休資産を所有し続けると、事業所税や固定資産税などコストがかかり、今後も事業の中で利用・稼働される見込みが完全になくならない限りは、固定資産税の申告対象になります。そこで、保有しているだけでコストがかさむのであれば、資産調達目的で売却することがおすすめです。
余分な資産を減らすことによって自己資本比率が高くなり、銀行からの印象がよくなって融資の交渉が有利になります。リスクがほぼゼロなので安心してできるのが特徴です。
そもそも個人事業主でも融資を受けられる?
結論からいうと、個人事業主でも融資を受けることは可能です。
しかし、それにはきちんとした「事業計画」が必須です。中には「融資を受けるには法人化をした方が良い」と耳にしたことがある方もいると思いますが、大事なのは法人化することよりもきちんとした事業計画があること・財務状況などをきちんを把握して必要な書類を提出できる状態にあることです。
特に開業時の融資の受けやすさについては、個人事業主か法人かの違いはほとんどありません。
個人事業主が融資を受ける条件
個人事業主が融資を受けるにあたって、原則、開業届を提出し確定申告を行っている必要があります。どちらも行っていない場合でも融資が受けられない訳ではありませんが、行っていない場合ハードルが高くなることは認識しておきましょう。
個人事業主が融資を受ける条件
開業届を提出している
開業届とは事業開始を申告するための届出で、原則事業を開始した日から1ヶ月以内の提出が必要です。個人事業主の中には開業届を出さずに事業を行っている方もいます。未提出でも特に罰則はありませんが、提出すると融資が通りやすくなるので、借入を検討している方は融資の申し込み前に提出しておきましょう。
確定申告をしている
きちんと利益を出して確定申告をし納税しているかどうかも重要です。融資審査では、確定申告書類や決算書などをもとに判断されます。
利益を出し納税していて、融資してもらった資金の用途や返済計画を示すことができれば、融資してもらえる可能性は高まります。
個人事業主が融資を受けるタイミング
個人事業主が融資を受けるタイミングはいつがベストなのでしょうか。一般的に頻度が高いものから順にご紹介します。
個人事業主が融資を受けるタイミング
開業時
個人事業主が融資を受けるタイミングで最も多いのは開業時です。
開業時には、店舗や事務所などの設立資金や電気などの設備費用などがかかり、売上が入金されるまでの間の運転資金も必要です。
それらに自己資金を投じる方法もありますが、いざという時の出費に備える必要もあるので自己資金はとっておきましょう。また、自己資金があることで融資が受けやすくなるので、開業時にかかる資金は融資に頼ることをおすすめします。
事業拡大時
次に多いタイミングは事業拡大時です。
個人事業主の方の中には「なるべく借金をしたくない」と考える方も多くいると思いますが、融資を受けること自体はネガティブなことではありません。融資を元に新規出店や新分野進出など事業拡大を図ることで、返済負担を上回る利益が得られる可能性もあります。
融資を受けずに事業拡大に臨んだ場合、資金ショートを起こしてしまう可能性もあるので、事業拡大時も融資に頼ることをおすすめします。
災害発生時などの緊急時
最後に知っておきたいのが、感染症拡大時や自然災害発生時などの緊急融資です。
感染症拡大時や自然災害発生時には、災害救助法に基づいて中小企業支援が実施されます。災害救助法とは、災害直後の応急的な生活の救済などを定めた法律のことをいいます。
実施される内容は、災害救助法が適用された地域に対して、経済産業省が特別窓口の設置をしたり災害復旧貸付を実施したりなどがあります。
個人事業主が融資を受ける際の注意点
続いて、個人事業主が融資を受ける際の注意点について解説します。
個人事業主が融資を受ける際の注意点
開業後より開業前の方が融資を受けやすい
まず、開業資金として融資を受けるには、開業後よりも開業前の方が融資を受けやすいです。
開業前であれば事業計画を示すことで審査を受けられますが、開業後は業績実績を示し「想定ほど業績が伸びず資金が不足してきたので借りたい」という形の融資申し込みになり融資が受けにくくなるのです。
そのため、開業前に融資を受け、余裕をもった状態で事業を始めると良いでしょう。
一定の自己資金を用意しておく
また、一定の自己資金を用意しておくことも重要です。
開業時は少なくとも1割、できれば3割あるのが理想的とされており、5割あれば審査に通る確率が非常に高くなります。
一方で、自己資金がなくても融資を受けることはできます。それは、自己資金はあくまで審査項目の一つであり、その他の要素も含めて総合的に判断されるからです。
事業主の信用情報にも気をつける
事業主の信用情報にも気をつけましょう。
信用情報には氏名・生年月日・性別などのほかに、収入・職業・勤務先などの情報が含まれます。また、クレジットカードやローンの利用状況、借入額や返済履歴なども確認されます。
なお、個人の信用情報は信用情報登録機関という第三者機関に登録されており、信用情報の参照には所定の手続きに則ったうえで手数料を支払わなければなりません。もし事業資金の融資を受ける際に不安がある場合には、自身の信用情報を確認してみるのも良いでしょう。
早めに資金調達を行う
資金ショートを起こさないために早めに資金調達することも重要です。
例えば融資の場合、申し込みが遅れると審査に時間がかかる制度融資などを利用しにくかったり、融資を受けるまでの間金利が高いカードローンを利用せざるを得なくなったりする事態にもなりかねません。
今後の資金の状況を早めに把握し、必要があれば前もって行動することが重要です。
「支払い.com」なら必要なときすぐに資金調達できる!
今回は、個人事業主に最適な資金調達方法21選や融資を受ける際の条件、注意点などを解説してきました。さまざまな助成金があったり、融資や助成金以外の資金調達方法があったりと、世の中には手厚いサポート体制があることが分かりました。
一方で、開業時や事業拡大時などのまとまったお金が必要な時には、やはり融資を受ける必要もあり、それに向けて自己資金を用意しておく・信用情報を綺麗にしておくなどの努力も必要です。
まずは事業計画をきちんと作成してどのタイミングでどれくらいの資金が必要になるのかを明確にし、それを元に自身の事業にあった資金調達を試みましょう。急な出費でお困りの際など、ぜひ「支払い.com」のご利用をご検討ください。